イスラム化するヨーロッパ (新潮新書)

イスラムと欧州の関係が中立的に書かれている本です。
パリのテロ事件後の為か、フランス関連の話題や取材内容が多目です。

【なぜ若者はテロに走るのか】
 豊かなイギリスやフランスで何故テロリストがという疑問もありましたが、
 どうも白人至上主義が抜け切らない現状が窺えます。
 自由が宣伝されるほどに、自由でない時の失望は大きいでしょうし。
 「ホームグロウン・テロリスト」を生み出す土壌がどんなものか、
 解りやすく解説されています。 

 一方で、単にフランスを落とすだけではなく、
 テロリストどのように白人社会に失望した若者を取り込んでいくのか。
 その手口なども紹介されています。
 また、テロリストでないイスラム移民も、移民として受け入れてもらう以上、
 折り合いをつける努力はある程度必要ではないかとも考えさせられます。

【欧州からイスラムへの偏見】
 著者・三井氏の取材ですと、ヨーロッパ人からイスラムへの偏見も
 まだ根強いと感じます。(回答の全文、全数が載ってるのではないでしょうが。)
 この本に掲載されている「強権的な父親」の事例も、
 日本で言えば「女は一般職」と言い張るようなタイプで、イスラム教と言うよりは、
 個人の問題に思えました。やはり偏見解消は難しいのでしょう。

【イスラム側の努力】
 移住者であるイスラムも、上手く事業を起こせるよう努力していた話も紹介されます。
 結局フランスに潰されてしまったようですが、こういうイスラム側の努力は、
 多くの人々が知るべきことだと思います。

【ポピュリズム・ナショナリズムへの動き】
 ドイツのメルケル首相の主張と、周辺諸国との乖離や、
 移民排斥を主張するフランスの国民戦線や、ドイツのペギーダ等が纏められています。
 また、スウェーデン等これまでは移民に寛容であった北欧諸国の変化なども。
 (ルペン氏は、朝日新聞デジタルのインタビュー記事でも過激な事を言ってましたし。)
 ここでも、テロとポピュリズムの悪循環が解ります。

 「欧州の革命は都市から始まる」などと言いますが、
 国民戦線やペギーダの項を読むと「地方から始まる」ということもありえましょうか。
 (良い悪いは別にして)

【今後】
 2016年のアメリカ大統領選でのトランプ氏や
 2017年のフランス大統領選での国民戦線・ルペン氏等は、
 今後の著書で語って欲しいと、この本を読んで感じました。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

DayBreak

Author:DayBreak
暇な同人活動をしている大学生 シノタロスが、オリキャラや葉の話などをするブログです 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード