ヨーロッパから民主主義が消える (PHP新書)

【第1章・そもそもEUの目的は何か】
 昨年取り沙汰されたギリシャの歴史、フランス発祥の民主主義の歴史、
 ECSC~EUの歴史、そして日本との対比がざっくり解説されます。
 ECSCが出来たのは、無闇に戦争をするよりも、
 なんとか調整していこうという話から生まれましたが、
 いつしかそれが別の形になってしまった。その走りの章です。

【第2章・EUの仕組みと各国の思惑】
 そういえば、EUのシステムについてはほとんど知らなかったのですが、
 手短に解りやすく纏まっています。
 そして、各国がEUに期待するものの齟齬がどういったものか、
 ドイツやイギリスのような豊かな国と、そうでない国の違いが、
 解説されます。
 キュウリの話など、半分雑学のようであっても、
 実際に経済に与える影響が書かれていました。

【第3章・ユーロの理想と現実】
 ギリシャが粉飾してまで何故ユーロ入りしようとしたのか、
 その辺りの背景と、それに対して他のEU諸国はどうしたのかが
 解説されます。
 ギリシャの状況は、文字を読んでいるだけで悲惨さが伝わります。
 ついでながら、日本にいると解らない“日本円”の凄さも解ります。 

【第4章・ギリシャをデフォルトに出来ないEU】
 ギリシャに対して強硬姿勢を崩さないドイツですが、
 一方で他のEUと合わせてデフォルトに出来ない状況が書かれます。
 共通通貨を使う上での、裕福な国とそうでない国の違いが、
 ここでも出ているようです。

【第5章・EU強国の実態】
 ドイツが両対戦の敗戦国にもかかわらず、何故EUの中心になれたのか。
 その経緯やドイツ側の努力が紹介されます。
 一方で、ドイツの一人価値に対する近隣国の反応と、
 それに対してユーロが導入された経緯も解説されます。
 5章の最後のほうでは、ドイツが表向きに言っている事と、
 現実の乖離も感じさせられました。

【第6章・人道主義のツケ】
 ドイツ基本法(憲法)では難民を保護すべきとされているそうで、
 現在もそれに則って難民を受け入れています。
 しかし、実際に大量になだれ込んで来ると、物理的に捌ききれません。
 また、難民受け入れの協定が、割と面倒臭いもので、
 それも話が拗れる一因になっているようです。
 ただ、ある意味ではドイツが掲げてきた人道主義で、
 ドイツ自身が苦しめられているようにも感じられました。

【第7章・対応に追われるEU諸国】
 いくら追い返そうとしても流入してくる難民に、
 EU諸国も対応で疲弊する様子が書かれます。
 一方、中東外交をやり直す動きも書かれます。
 ただ中東問題は、そもそもイギリスの三枚舌外交等、
 ドイツ以外が原因なのに、一番重荷を背負っているのがドイツや、
 中東に近い南欧というのも、違和感を感じます。

【第8章・新たなナショナリズム】
 EUが膨らみすぎたせいもあってか、その恩恵を受けられない人々には、
 むしろナショナリズムが浸透している様子がかかれます。
 国境の復活、右翼政党の台頭、独立運動等など、
 ナショナリズム的な兆候は見られます。
 
 一方、テロの根っこはまだほとんど解決できていないことも、
 触れられ、そしてそれは日本人にも無縁ではありません。

【終章・今後の日本】
 TPP(EUのような貿易の自由化)が農産物や文化に与える影響や、
 今後日本に難民が押し寄せる可能性が書かれます。
 農産物は国産志向が強いから、とも思っていましたが、
 やはり考えておいたほうが良い事柄のようです。


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暇な同人活動をしている大学生 シノタロスが、オリキャラや葉の話などをするブログです 

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