新・映像の世紀~映像の危険性、そして可能性

【第1集・世界の呪縛~第一次世界大戦】
 前回とは別の視点で印象的なのは化学兵器。
 前シリーズでもWW1の化学兵器の話題はありましたが今回はハーバー博士にスポットを当てて紹介されます。
 「ドイツの兵士を救える」と信じて毒ガスを研究した博士ですが、結局それによって戦火は拡大。
 その後、ナチスの迫害に利用され、博士自身にも実害があったとは皮肉なものです。

 謀略戦は、新シリーズでの特集ですね。
 悪名高い三枚舌外交で、アラブを良いように使い、美化映像を作るとは、イギリス人らしいしたたかさですね。
 列車爆破は、『アラビアのロレンス』でも描かれましたが、やはり生々しい感じがします。
 ドイツ側もロシアにレーニンを送り込み、東部戦線解決に漕ぎ着けますが、
 その後ロシア(ソ連)がドイツを分断と、これまた皮肉なものです。
 その他、場賠償金問題や若き日のヒトラー、パレスチナ等、色々な火種についても紹介されます。

 裕仁親王の言葉もまた、深いものを感じました。

【第2集・偉大なる一族の影と光】
 前シリーズでは、一般大衆がメインでしたが、今回はグレートファミリーをメインに描かれます。
 石油王・ロックフェラーが石油の富を独占する過程も描かれています。「5セント」の話は面白いですね。
 (そういえば、ディズニーのスクルージさんも、5セント硬貨を大事にしてたような)

 「自由貿易が世界を平和にする」という話は、後の軋轢にも繋がるように思います。
 「株を担保に株を買う」とか「パチンコの勝ちをアテに借金」みたいなもんですから、
 なぜだれも止めなかったのか・・・。恐慌後のロックフェラーの発言は、お金持ちの美しい言葉です。 
 ロックフェラー家が作ったトレードセンターに、資本主義伝播の歪が・・・と考えると因果なものです。
 
 ただ、このウォール街に支配された大統領制度に良くも悪くも楔を打ち込むのが100年程後の
 不動産王・トランプさんと言う事でしょうか。

【第3集・大衆迎合主義の沸騰】
 恐慌からWW2までの歴史が、ドイツを軸に紹介されます。
 新旧シリーズで主役を張る辺り、ヒトラーの凄さと言えます。
 流れとしては、前シリーズとほぼ同じですが、当時の知識人や有名人が、
 WW2をどのように捉えていたのかを知ることができます。
 前シリーズでは兵器や戦術の話がありましたが、それ以外にも様々な最新技術が使われていたとわかります。

 恐慌後から大戦前半までの、ドイツでの繁栄が伝わってきます。
 一方、大戦末期になると、ヒトラーもかつての覇気はなくなったようです。
 
 ユダヤ人関係の映像は悲惨そのもの。何度見ても心が痛みます。
 しかしまあ、昔の黒人貿易なんかとどちらが外道かと問われると、回答に困りますが。

【第4集・冷たく不毛なオセロゲーム】
 米ソの、勝ったからと言って得をしないオセロゲームのせいで、世界中が大迷惑というお話です。
 アメリカも、ドミノ理論に取りつかれて、冷静な判断が出来なかったようですが。
 東ドイツについては、痛ましい話ではありますが、第1集を踏まえると、自業自得ともいえそうです。
 ただ、国がやらかした悪行は、孫辺りにブーメランが返ってくるという意味では奥深いです。
 前シリーズでは、アメリカとベトナム・カンボジアの関係が語られましたが、
 今回はイランとアメリカの関係も語られます。
 更に、若い頃のビンラディン(ヒゲを蓄えてますが、当時20代前半?)など貴重な映像もあります。

 湾岸戦争時の「命中した精密爆撃だけ放送する」という話もしてほしかったのですが、
 冷戦とは直接関係ないから出なかったのかもしれません。
 
【第5集・戦争に勝利した映像】
 TVの普及で、映像がより身近になった時代。
 ベトナム戦争の映像を見て立ち上がった若者たちの物語です。世の中を良くしたいと考え、
 体制側の暴力に対抗する姿は、現代の目で見ても勇気を与えられるものです。
 また、チェ・ゲバラ等大戦後の英雄や、若い頃のホーキング博士も紹介されます。
 
 一方で、中国での話などは、代案を持って既存のものを否定するのか、
 何でもいいから既存のものを否定するのかの違いや、後者の危険性も見せられます。
 チェコスロバキアやキューバは、前者なのでしょうが。

【第6集・映像が持つ危険性と可能性】
 やはり大きな出来事と言う事で、911同時多発テロが紹介されます。
 自分は当時中学生でしたが、ひどくショックと恐怖を覚えた映像です。
 ただ、当時はそれがどういう意味を持つのか解りませんでしたが、
 中東とアメリカの関係史を勉強したうえで見ると、また違った映像として見ることができました。
 アラブの春についても、勇気を与えた結果、さらなる混乱を引き起こしたとも描かれます。
 そして、感情を共有し、喜びや希望を分かち合える一方、恐怖や不安が増幅され、
 悪い方にいくという可能性と危険性の両側面を表していました。

 同性愛者ジェイミー君の映像は、やはり心が痛みます。
 しかし、これが共感と、また理解者の増加、また勇気を与えるなど影響が紹介されます。
 性的に限らず、映像がマイノリティーに与える希望と可能性も、紹介したわけですね。
 また、もし将来性的マイノリティーがマイノリティーでなくなった場合、
 この映像は大変意義を持つと思います。
 (放送時からゲイについて長いという指摘はありましたが、6分/49分位です)

 ほとんど演出ですが、冒頭で火星から地球を臨むシーンは印象的です。
 まあ、これも映像の技術ですし、テロリストを探す映像解析なども紹介されるので、
 これはこれで「映像」というテーマに沿ったものですかね。

【新旧シリーズの比較】
 前シリーズは「映像を軸にした歴史番組」で、新シリーズもそうですが、
 「人々が映像とどう向き合ってきたか」も紹介されます。
 第1集では、映画館で夫や息子を探す女性、
 第5集では、テレビを見て行動を起こした若者、
 第6集では、21世紀での映像の使われ方と、これらが大きな違いかと思います。
 
 そういえば、「飛行機の翼に乗っているおじさん」は両方ででましたが、
 製作スタッフの誰かが好きなんでしょうか?

【その他】
 内容とは全く関係ありませんが、DVDのケースが、前よりも取り出しやすくなっていました。


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暇な同人活動をしている大学生 シノタロスが、オリキャラや葉の話などをするブログです 

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